前回、クリスマスプレゼントを探したという作文を紹介しましたが、今回はもう一つ、クリスマスにちなんだ作文を紹介します。
ところで、作文に慣れていない子どもたちは、しばし「何を書いたら良いのかわからない」と悩みがちです。
そしていざ「クリスマス」という分かりやすい課題が出されると、例えばクリスマスパーティーの最初から最後までをだらだらと書いてしまいます。
「最初に○○をしました。そして次に○○をしました。そうしたらA君が○○しました。面白かったです。次に……」
みたいな作文です。出来事を一つ書いたら、すぐに次の出来事、次の出来事と進んでしまいます。
枚数は多くなりますし、何より書いていて楽ですが、読む方からするとあまり面白くはありません。
(ちなみに夏休みの作文はこのパターンが多くて、部活の大会を開会式から帰るまで書くのが特に多い)
長くだらだら書くよりも、話題の軸を一本に絞ることが大切です。
というわけで、教室では「原稿用紙の3枚目の終わりまでとにかく書こう」みたいな指導はしていません。
原稿用紙1~2枚くらいでまとまり良く書くよう指導しています。ちゃんとまとまっているなら、1枚に届かなくてもOK。
と、前置きが長くなってしまいました。クリスマスの作文です。
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一日前のサンタ
4年生 男子
「ああ今年サンタくるかなあ?」
そう考えながらねようとした。今日は、サンタのくる二日前。けど、今年はこない。なぜこないと考えるかというと二つの理由がある。一つは、いろんなおもちゃを買いすぎていること。もう一つは、言うことを少ししかきいていないこと。それをずうっと上からサンタが見おろしている。だからサンタは、こない。
けど来ると思えば来るかもしれない。だって子どもには、プレゼントが来るから。別によい子じゃなくても子どもであれば来てくれる。そう信じながら一日をすごした。
二日目、朝起きてとなりの部屋に行ったらびっくりするようなことがあった。それは、今プレゼントがとどいていたことだ。何だろうと考えながらあけたら、今一番ほしいゲームカセットがとどいていた。やっぱりかんはあたっていた。
けど不思議だった。
「どうして一日前にサンタが来たんだろう」
たしかにそうだ。今日は二十四日の朝だ。ふつう二十五日の朝にとどくはずなのに一日早くとどいた。ということは、一日かんちがいしていたのか、と考える。だから今日とどくのか友達にならいごとできいてみた。やっぱりちがった。みんな二十五日の朝にとどくと言っていて、まだプレゼントはもらっていないということだ。
こんなこと初めてで、とてもうれしかった。今は、ラッキーだ。
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プレゼントをもらえてうれしい、けど不思議。
そんな気持ちを伝えることを軸として、作文を書いてくれました。出来事よりも考えたことを多めに書いていて、それがまた面白い。
この文字数で、およそ原稿用紙1枚と半分です。だいたい30分から40分くらいで書いています。
伝えたいことを決め、話題を絞って書くと、自然と文章の構成も整います。
文章を書く練習には、このくらいの文字数が良いのかもしれませんね。