クエスチョンを見つける練習

 夏休みの作文も終わって一息ついた九月からは、「クエスチョンを見つける」をテーマにレッスンを進めています。

 作文に限った話ではありませんが、自分の書く文章に自問自答できるようになると、文章の完成度が飛躍的に上がります。

 書いた主張に対して「それはなぜそう言えるのだろう」と疑問に思うことで、理由も書く必要性に気付きます。

 「昨日、公園に行った」と書いた時に、「どういう公園?」「広さはどのくらい?」「誰が何をしていた?」と読者になったつもりで疑問を出せれば、より詳しい描写が可能になります。

 自問自答スキル、あるいはセルフツッコミスキル、とでも言いましょうか。

 このスキルを育てるために始めたのが、「昔話にクエスチョンを出すことで、もっとくわしく書かれた物語に変える」という授業です。

 

 詳しい授業の進め方は割愛しますが、やっていて分かったことがいくつかあります。

 まず、クエスチョンを出すのが得意な子と苦手な子がいて、その力量の差は結構激しい、ということです。

 例えば桃太郎の一文「お婆さんが川に洗濯に行くと、大きな桃が流れてきました」へのクエスチョンを出してもらうと、パッパッパと二十個ほど立て続けに書いていく子もいれば、五つほどで止まってしまう子もいます。

 権田の印象ですが、普段からよく練られた文章を書くのは、前者です。後者の書く作文は、言葉が単調だったり、状況描写が最低限だったりします。(ただ、後者の方が要約が上手いような気がします。なんででしょうね)

 それと、人物の内面やリアクションに関するクエスチョン(例えば「桃を見た時、お婆さんは驚いたか?」など)は、なかなか思いつけないようです。特に男の子は、この手のクエスチョンを出すのが苦手なようです。なんででしょうね。

 

 ともあれ、自問自答スキルは、練習によって伸びます。

 「クエスチョンを考え出せる」というのは、文章以外でも活躍する能力ですので、作文レッスンを通して少しでも伸ばしてあげられたらなぁと思っております。

2019年10月05日