子どもがよく間違って使っていることばに「ふいんき」があります。本当は「雰囲気(ふんいき)」ですね。指摘すると、「ふんいきなんて変。おかしい」となぜか怒られます。
こういう間違いに、最近、新たに一つ付け加わりましたのが、こちら。
「さいやく」
おそらくは「最悪」だろうと推測して「やではなくてあだよ」と直していくわけですが、もしかしたら「災厄」かもしれません。普段から、何か嫌な体験を語る時に「さいやく~」と言っているので、「災厄」でも合っているかもしれませんが、多分、最悪の方でしょう。
「最悪」と言ったら、最も悪いわけですから、かなり強い言葉です。家族の一人が「聞いてくれ、今日、最悪な事が起こった」などとボソリとでも言ったなら、聞いている方はかなりドキドキするでしょう。
ところが、今やちょっとしたことに対しても、日常茶飯事に使われます。「給食にシイタケがでた。さいやく~」みたいに。最悪という表現は、かなり大げさです。
こういう、もともとマイナス方向に強い言葉だったのに、日常的に使われるようになった結果か、力が弱まってしまった言葉に「すごい」や「やばい」があります。
「すごい」は「凄い」で、もともと剣呑なイメージがあったかと思います。「あの男には凄みがある」なんて書くと、ピリッとしたものが感じられます。
ところが、「すごい」は今や素晴らしいもの・技などに使うのが当たり前になりましたし、「やばい」も若者の間では素晴らしい物・感情をプラス方向に動かす物に使うのが一般化しています。余談ながら、半年ほど前に「先生、やばいよ」と高校生に言われたことがあり、本人は褒めてくれているらしいですが、全然そんな気になりませんでした。もしかしたら褒めているふりをして本当はやっぱりやばかったのかもしれません。
それはともかく、そうなると。
「最悪」もそのうち、プラス方向で使われるようになるんじゃないでしょうか。
しかも、「さいやく」という、「あ」が「や」になった形で。
「うわ、さいやく、かっこいい!」
こんな感じですかね。
この予想、果たして当たるのでしょうか。数年後、どうなるか楽しみです。
もしこの予想が当たったら?
ちょっとさいやくですね。