そろそろ、読書感想文の準備を

 まだ五月なのに真夏のような暑さです。

 蒲郡ではいくつかの小学校の運動会が今日でしたが、この暑さでは、体調を崩す子が多かったのではないかと心配です。

 年々暑さが酷くなってきていますし、「雨天中止」のように「○度以上の日は中止」のような基準を設けることが、子どもたちを守るために必要なのかもしれません。

 

 さて、それはともかく「夏のような暑さ」で思い出したのですが、そろそろ、読書感想文の準備を始めてみてはいかがでしょうか。

 といっても、特別に何か書き始めるわけでもありません。

 とりあえず、ぼちぼち本を探してみましょう。

 感想を書きたくなるような面白い本というのは、残念ながらすぐには見つかりません。

 本屋や図書館で一冊とりゃぁと手にとって、それが感想書きたくなるほど面白い確率は、ほとんどゼロです。

 手に取った本がたまたま面白くて大はまりした、という話はしばし聞きますが、それは普段から本を手に取っている人の話。

 そういう人はその一冊を読むまでに「あまりはまらない本」を十冊も二十冊も読んでいます。

 逆に言えば、本を手にする機会を増やせば、面白い本に出会える可能性は高まるわけです。

 

 そんなわけで、そろそろ、子どもたちが本にふれる機会を増やしてあげてはいかがでしょう。

 図書館に連れて行くも良し、買い物帰りに本屋に寄るも良し。

 お金にちょっと余裕があったら、本屋で子どもに千円から千五百円ほど渡し、

「わたしは自分が読みたい本を探してくるから、あなたもそのお金で読みたい本を買っておいで。ただし、マンガや雑誌はだめ。それ以外ならどんな本でも何も言わないから」

と伝えてみましょう。きっと真剣に本を探すんじゃないでしょうか。

 ポイントは、あれこれ口を出さない事。

 こうして子どもが選んだ本は、親からしてみれば「くだらない本」「つまらない本」かもしれませんが、子どもにとっては「真剣に選んだ本」「読みたいと思った本」です。

 実際につまらない本で、子どもも読んでみたら「つまらなかった……」と後悔するかもしれませんが、その後悔も、次の本を手に取るための糧となります。失敗も経験の内、です。何週間かしたら、もう一度本を買う機会を与えてください。

 とはいえ、「買って自分の物となる」と思えば子どもの本気度は「図書館で本を借りる」よりもぐっと高くなりますから、そうそう大きな失敗はしないですし、それよりも宝物になるような本を手に入れると思いますよ。

 それと、もう一つポイントがあって、親自身もこのときに一冊買って、家で読む事。

 親も自分の本を探し、読んでいる。そして「おもしろかった」とか「つまらなかった」とか言っている。

 そういう姿を見ると、子どもも本への関心を高めるんじゃないでしょうか。

 

 読書感想文の準備と書きましたが、そんな事忘れて、子どもと一緒に読書を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 夏休みに入るまでに、お気に入りの本に出会えると良いですね。

 

 

 

2019年05月25日